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高野山東京別院の阿字観実修に行って感じたこと

東京・品川のお寺「高野山東京別院」に行ってきました。

以前から興味のあった「瞑想」を体験するためです。

 

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きっかけは東京ミニマリストオフ会でお会いしたnagisaんに話を聞いたこと。

 

宗教に関することは全く詳しくないのですが、「瞑想」というワードにピンと来て、一緒に連れて行ってもらいました。その時に感じたことを書いてみます。

阿字観って?

 

簡単に書くと瞑想方法のひとつ。厳密に言うと阿字観の中には種類があるそうですが、詳しくは書けないのでごめんなさい。昔から真言宗に伝わっていて「世界と自分とはひとつである」ことを実感できるものだそうです。

 

瞑想というと棒でバシッ!と叩かれそうなイメージがあるのですが、そういうことはありませんでした。元々は「阿」という梵字を見ながら行うものです。わたしの体験では、文字を見ることはありませんでした。

 

立派なお寺

 

高野山東京別院は江戸時代に建てられたお寺で歴史があります。

宗派は高野山真言宗、開祖は弘法大師です。総本山金剛峯寺の東京にある別院です。

 

高野山真言宗総本山金剛峯寺 高野山東京別院

 

お寺はとっても立派でした。敷地内に足を一歩踏み入れただけで、背筋がしゃんとします。お香のにおいが立ち込めていて、気持ちがすっとします。

 

敷地内は厳格な雰囲気はありますが、お昼頃にはお参りに来る人や、境内でくつろぐ人の姿が見られました。日当たりが良い境内では、ベンチで英字新聞を読む欧米人のおじいさんや、おにぎりをほおばりながら読書をする若者の姿も。立派なお寺ですが、地域の住民にも親しまれている様子が伝わってきました。

 

場所は品川

 

JR品川駅から徒歩15分くらいの場所にあります。都営浅草線の高輪台駅からだと徒歩10分くらい。nagisaんとは高輪台駅で待ち合わせて向かいました。

 

普段足を踏み入れる機会がほとんどないので目に付かないのですが、都心部にも結構立派なお寺があるんですよね。そういえば、勤め先の近くにも、大きなお寺がいくつかあります。

 

5.60人の参加者と阿字観

 

お寺の中に入ると、ボランティアの方が場所を案内してくれました。

 

お参りに行く時に、賽銭箱が置いてある奥のスペースってありますよね。仏様がいたり、蓮の花の置物が置いてある場所。ここに通してもらいます。普通は入ることは出来ない場所ですが、この日だけ特別に入れるそうです。

 

整えられた空間と、荘厳な雰囲気にドキドキしました。

 

部屋の入り口に置いてあるお香(塗香)で手を清め、座布団を持ち、空いている場所に座ります。部屋の中心に住職さんがいて、住職さんを参加者がコの字形に囲んで座ります。

 

阿字観は10時からスタートしますが、930分から初心者の為の説明会が開催されます。

 

nagisaさんから事前に説明を伺っていたので、10時に行きました。ざっくり560人くらいの方が集まっており、それだけで圧倒されてしまいました!あまり人がいないと思っていたので・・・。

 

初めての人は説明会に参加した方がいいと思います。場の空気になじみやすいですし、住職さんが見えやすい場所に座れると思います。

 

住職さんが言葉と動作でやり方を教えてくれる

 

住職さんがその場で、瞑想の手ほどきをしてくれます。

 

初めての人でも分かりやすいような言葉・動作で、次に何をすればいいかを教えてくれます。参加者は、言われるままに、その通りにすればOKです。

 

ほの暗いお寺の中で、じっと座っているだけでもかなり非日常体験です。

静かな空間の中でドキドキしていました。

 

立ったり座ったり、座ったり立ったりしながら、身体をリラックスさせていきます。座布団があるとすべるから、少し脇に寄せるんだよ、とか、急に立ち上がると辛いから、膝を立てて立ち上がると良い、など、細かい動作まで教えてくれます。住職さんの動作は早くて、ついていけないかも、と思いますが、ちゃんとみんなが終わるまで待ってくれるので、マイペースで大丈夫でした。

 

瞑想の準備が続く。声を出すと・・・

 

その後、座り方を教わって、瞑想に入るのかと思いきや、なんと声を出すように言われます。みんなで住職さんに続いて、「あ~~~~ あ~~~~」と声を出し続けます。文字にすると怪しいですね(笑)

 

声は、ラがちょっと低くなったくらいの音でした。

440Aのチューナーの針が左側でぴくぴくする位の音程)

みんなず〜〜っと声を出しています。

 

510分続けていたような気がします。

声を、ただ、無心に出すことって普段しないので、長い時間に感じました。もっと短かったかもしれません。

 

途中から、声を出さずに、皆さんの声に耳を傾けていました。

美しいハーモニーだと感じたのです。

 

声が和音のように何層にも何層にも重なった「あ~」という声が、お寺の中にぼんやりと響き渡っていて、とても気持ちが良かった。この段階で、興奮状態だった心が、うんと静かになりました。

 

その後、ようやく瞑想に入りました。

 

生きることは静かなことなのかも

 

瞑想の間は、目を閉じていました。(もしかしたら、目線を下げるようにだけ言われていたかもしれません、忘れました。)

 

もし瞑想中に、色々なことを考えてしまっても、それは気にしなくてもいいと住職さんは言っていました。わたしは頭の中がからっぽになっていて、何も考えられませんでした。そういう人は、今日はたまたまいい状態だと思って、良いとか悪いとか考えずにそのままでいましょう、というようなことを話していました。

 

ぼんやりしている間、自分の呼吸に意識が向きました。

 

普段、息をしていることって意識しますか?ヨガやスポーツ、音楽をやっている人なら意識するかもしれないけれど、普通に生活していたら意識しないですよね。

 

呼吸ってとっても静かなんです。

 

生命活動の維持に必要なエネルギーって、実はすごく僅かなんじゃないかと思いました。生きるのって別に辛くも痛くも痒くもない。自分たちで勝手に辛いとか嫌だとか知覚しているだけ。そう思うと、なんだか心のなかがじわっとあたたかくなる気がしました。

 

瞑想の終わり

 

呼吸は静かだし、お香の匂いはいい匂いだし、頭の中が静かになってきて、とってもいい感じだな・・・と静かにしていたら、瞑想が終わりました。何分くらいやっていたんだろう。10分くらいかな。終わった後は、座布団を元の位置に戻して(元々あった)イスを自分達で元の場所に戻して、解散です。いつもこうしてください、みたいなルールがあるわけではなく、その都度変わることがあるそうです。

 

 

その後住職さんの茶和会があるとのことで、お座敷に移動します。あっという間に沢山の人が集まります。瞑想よりも人が増え、100人くらいはいたんじゃないでしょうか。

 

茶和会のこと

 

瞑想が終わった後、11時から1時間ほど行なわれます。有志のボランティアの方がお茶とお菓子を用意してくださり、お座敷に座って住職さんの話を聞きます。

 

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いただいたお菓子とお茶。ごちそうさまでした。

 

 

仏教の始まりや、密教とは何か、悟りということの意味、茶和会の起源など、色々なことを話してもらいました。厳格な瞑想の時には想像できませんでしたが、住職さんは明るく面白い。冗談交じりのお話がなんとも楽しかったです。住職さんは茅ヶ崎のお寺の方で、阿字観の為に高野山東京別院にいらっしゃっているそうです。

 

nagisaさんが「時間に間に合わなくて瞑想に行けない時は、茶和会だけ参加することもあるんです。」と言っていた理由が分かりました。

 

印象に残ったこと 

 

  • お釈迦様は、命の所有権を放棄した人。命の所有権を放棄することを、解脱、悟りと言う。
  • 悟りとは、自分に関心を持って、自分を精査すること。その手段が瞑想。 

×世の中をよく知っている

○自分のことをよく知っている

 

  • お釈迦様は「最低限のものを持とう。生産活動から身を引こう。」ということを体現した人。

 着るものは、人々の不要になったぼろ布をもらって作っていた。袈裟にはぎ目があるのは、昔、人々に貰った布きれをつなげて作っていたから。沢山の人の気持ちが入っているから、ありがたい。

 

 食べるものは人々の食べた残りものの豆を少しずつ貰って、ひとつの椀に入れてもらって食べた。豆だから混ぜても食べられた。(これはインドの話。日本ではお米を貰っていたそう。) 

 

この話を聞いて「なんだか坂爪さんみたいな人だなあ」とふっと思いました。

 

他にも素敵なことを沢山話されていたのですが、覚えているのはこのくらい。濃密な2時間でした。あたらしい経験と沢山の気づきをもらいました。参加費は無料です。すべて、参加者の方々のお手伝いや善意で会が運営されているそうです。お寺での集まりに参加したのは初めてでしたが、また行ってみたいなと思ういい雰囲気の会でした。

 

阿字観は定期開催です

 

瞑想が体験できる阿字観実習は、1か月に2度、土曜日の午前中に定期開催されています。

 

今年度は12月19日が最後の会。興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。わたしもまた参加してみたいなと思っています。

 

nagisaさん、この度は丁寧なアテンドをありがとうございました♡

 

みどり